奇跡の修復
1968年に油性マジックペンで落書きされるという憂き目にあった「蘇鉄図」と「寒山拾得図」。国の重要文化財指定後、国立文化財研究所によって修復が試みられたものの、墨絵はそのままにインクのみを除去することは不可能という判断となり、当山に返されました。 それでも諦めきれず、1977年に“しみ抜き技術日本一”といわれた表具師・武智光春氏に修復を依頼。5年にわたる研究を経て薬剤と技術を確立し、奇跡ともいえる修復を実現。1983年、15年の時を経てマジックの落書きが取り除かれ、見事に蘇りました。
「幻の絵」の復活、デジタル複製画の公開まで
幻の蕪村画「寒山拾得図」を本堂の襖絵として皆さまに是非ご覧いただきたく、超高解像度でのデジタル複製画を制作するため、予算の一部をクラウドファンディングで多くの方からご賛同いただき、2022年にデジタル複製の襖絵が完成しました。 1968年以来、寒山のお顔が欠損していましたが、2021年から妙法寺と東京文化財研究所が共同研究事業を立ち上げ、復元と複製に取り組みました。その道のりを動画でご覧いただき、見事に元の姿に戻った作品をご鑑賞ください。